2022年10月20日、千葉日報、四国新聞(など)
2022年10月20日
「千葉日報」(文字起こし)
「学び深め、次代に継承」
野田の市民団体
福田村事件99年で墓参り
関東大震災直後、旧福田村(現・野田市)で香川県の被差別部落出身の 行商人が殺害された「福田村事件」から99年がたった。事件を調査してきた千葉県の市民団体は19日、香川県にある犠牲者の墓を訪れ、発生から100年を前に「学びを深め、若い世代に継承していく」と誓い、手を合わせた。
団体は「福田村事件追悼慰霊碑保存会」(野田市)。事件を調査し、語り継ぐ活動を長年続けてきた。会員の島袋和幸さん(74)=東京都葛飾区はこの日、保存会としては2008年以来14年ぶりに被害者側の住民の案内で墓を巡り、経を読み、花を供えた。
1923年9月6日、薬行商15人が福田村や田中村 (現・柏市)の自警団に襲われ、幼児や妊婦を含む9人が殺害された。震災直後は「朝鮮人が暴動を起こす」とのデマが流れ、各地で朝鮮人らが被害に遭う事件が発生。自警団は行商を朝鮮人と疑い、弁明を無視して殺害したとされる。
被害者が声を上げられなかった時代が長く、事件が知られるようになったのは調査が始まった80年代だ。島袋さんは取材に「千葉の若い世代は加害の歴史を知らない人が多い。地域同士の話し合いや交流の場を作っていきたい」と語った。
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